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アニメ文化プログラム  ― アニメNEXT100 ―
日本のアニメーション100周年プロジェクト趣意書。

2017年、日本のアニメーションは東京・浅草で初めて劇場公開されてから100周 年を迎えます。

そのさきがけは、現在国宝絵巻となっている『鳥獣人物戯画』、『信貴山縁起 絵巻』、『伴大納言絵詞』など、今からおよそ860年前の12世紀に開花した、まさにアニメ的マンガ的と言っていい連続式絵巻に見ることができます。日本を代 表するアニメ監督である高畑勲氏も、著書『十二世紀のアニメーション-国宝絵 巻に見る映画的・アニメ的なるもの-』でそのことを記しています。
そして日本では、これまで数多くの絵師達が物語を“描き”“動かす”創作術に魅入られ、あらゆる試行を重ねてきました。

 日本で初めて公開されたアニメーションは、1909年の輸入作品、アメリカ・パ テー社の『ニッパールの変形』でした。それに続いたフランスのエミール・コー ル作『凸坊新画帳』シリーズは爆発的な人気を博し、日本のアニメーション創作 熱を一気に高めたといわれています。そして1917年、ほぼ同時期に下川凹天(し もかわへこてん)、北山清太郎、幸内純一(こううちじゅんいち)の3人によって、日本でつくられた初のアニメーションが東京・浅草で公開されたのです。以 来、今日までに日本で制作されてきた作品は、アニメーションデータベース『日 本のアニメーション大全』によれば、平成27年9月の段階で、シリーズ作品を含むタイトル数はおよそ11,238作品、サブタイトル数では154,106話にまで達して います。

日本のアニメーションは、1920年代初頭に“漫画映画”と称されて以来、多様な創造力により制作されながら、表現・手法・技術・メディアなどの変化とともに 進化を遂げ、今や日本を代表するコンテンツとして世界で高く評価されていま す。その結果、多くの日本のアニメファンやその担い手となるクリエイターを育てるまでに至り、就学・研究・ビジネス・観光など、あらゆる分野で世界中から日本のアニメーションを目指す人々が後を絶ちません。

日本のアニメーションの真の魅力は、“マンガ・ゲーム・音楽・玩具”などとともに、映像・表現の技術革新のみならず、ファッション・食文化などの生活様 式、さらには都市の在り方や産業・科学技術などへも拡がって、人を動かし、 時代を動かし、未来を担う力を発揮し続けていることにあります。

私たちは、“日本のアニメーション100周年”を迎える節目となる2017年を起点 に、長期的視点に立ち、日本のアニメーション業界がオールジャパンとして一丸 となって次の100年を創る源泉となるプロジェクトを始めることが何より重要だ と考えます。

奇しくも2020年に開催されるTOKYO2020オリンピック・パラリンピックを契機 として、国が一体となった「文化芸術立国宣言」が掲げられています。

その背景には、オリンピック開催に向けて公約されている2016年以降4年間に わたって推進される文化プログラム事業があります。政府や地方行政などありと あらゆる機関において、これまで以上にアニメ・マンガ・ゲーム・音楽、また玩 具をはじめとするマーチャンダイジングに関わる様々な施策の検討と推進が求められているこのタイミングを、私たちは是非とも活かしていきたいと思っております。

私たちは、“日本のアニメーション100周年”の集大成をダイナミックに展開 し、未来へ向かう日本のアニメーションの新たなキックオフにふさわしい文化プ ロジェクトを提案し、推進します。

その結果を世界へ向けて同時発信しつつ、一過性のイベントに留まることなく、次世代にふさわしい豊かな創造性を生み出すための日本のアニメーション文化の基盤構築へと繋げることをさらに目指します。

具体的な方策としては、2017年を起点とする東京発の世界へむけた取り組みについて検討しております。長期的に日本のアニメーション文化の基盤となるアーカイブの構築も視野に入れつつ、『アニメNEXT100』プロジェクトを皆さまと共に推進してまいりたいと存じます。

 

一.
『日本のアニメ大全』編纂と公開
日本のアニメーションを歴史に網羅する形でアカデミックな見地から体系的に構築し、
世界に向けて発信する
一.
『未来のアニメクリエーター発掘・育成プロジェクト』推進
子どもたちを対象にアニメーション教育を通じて多様な能力を伸ばす。
アニメの未来を創るアニメクリエーター発掘・育成プロジェクトを展開
一.
『アニメの未来』展開
現在と未来を繋ぐ文化・産業基盤を構築する国際巡回企画展・国内巡回企画展。
日本国内・海外アニメ関連フェスティバルコラボプロジェクト

 

これらを実現することで、日本のアニメーションの未来、NEXT100年として、100年後の日本のアニメーション文化の担い手たちの創造基盤を作り、いつの時代であっても、日本の子どもたちのみならず、世代、性別、国境を越えた世界中 の人々に“夢と絆・愛と勇気・心豊かな感動・生きる力”を伝え、そしてなにより、人と時代を“動かす力”を発揮し続けることへとつながっていきます。
 日本のアニメーションに関わる全ての人々が一丸となり、長期的ビジョンを共有し、今できることを共に推進していただけますよう、皆様に本プロジェクトの 趣旨にご賛同いただくとともに、アニメ文化プログラム・日本のアニメーション 100周年プロジェクト推進チームにご参画、ならびにご協力賜りますよう、何卒 よろしくお願い申しあげます。

平成28年11月
一般社団法人 日本動画協会
一般社団法人 日本動画協会理事長・『アニメNEXT100』プロジェクト代表 石川和子
統括プロデューサー 宮河恭夫

趣意書における参考文献
・『十二世紀のアニメーション-国宝絵巻に見る映画的・アニメ的なるもの-』
 著者:高畑勲/発行人:鈴木敏夫/編集・発行:株式会社スタジオジブリ/発売:徳間書店
・『日本アニメーション映画史』
 著者:山口且訓/渡辺 泰/編集者:プラネット/発行所:㈱有文社
・『日本のアニメ大全』:日本のアニメーションデータベース・編纂:一般社団法人日本動画協会

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